天空の不夜城
明治時代の能代七夕では、灯籠が大型化して高さ五丈八尺(17.6メートル)もある名古屋城を模した城郭灯籠が曳き回されましたが、電線の仮設により灯籠は次第に小型化を余儀なくされました。
しかし平成25年には当時の大きさそのままの17.6メートルの城郭型灯籠が復元され、江戸時代の灯かろく籠作者宮越屋嘉六の名を取り「嘉六」と命名されて能代の町で曳き回されました。更に翌26年には戦国時代の檜山城主安東愛季の名を冠した「愛季」(24.1メートル)が作られ「嘉六」とともに能代の七夕の夜を彩るようになりました。およそ百年ぶりに巨大城郭型灯籠が曳き回されて能代七夕の古い伝統を現代に結んでいます。
電線が地下に埋め込まれ障害がなくなった国道101号を会場にして、「愛季(ちかすえ)」と「嘉六(かろく)」、それに数台の役七夕灯籠や能代小若灯籠が田楽灯籠と太鼓、笛、鉦の囃子を先頭にして、きらびやかな光を放つ巨大城郭灯籠が曳き回されます。このパレードは「天空の不夜城」と名付けられ、平成25年から行われて多くの観光客が訪れます。