秋田県 能代市
秋田県の北西に位置して日本海、世界自然遺産白神山地、出羽丘陵の雄大な自然に囲まれた地。
『日本書紀』に7世紀の阿倍比羅夫と蝦夷の戦いに関して「渟代」という地名が見られ、これが能代に関する最古の記述と言われる。
8世紀になると『続日本記』では渤海国使が「野代湊」に着くとある。文献に登場する「渟代」「野代」は現在の能代の町が成り立つ以前のものであった。米代川河口の南岸に位置する現在の能代の町は、中世に秋田県北部で勢力を誇り、後に戦国大名となった檜山安東氏の 4 代城主安東愛季が弘治2年(1556)に家臣清水治郎兵衛政吉に命じて米代川河口に湊町を創設したことに始まる。今の「大町」「上町」あたりに町が形成され永禄年間(1558~1570)の頃に町を「野代」とした。佐竹氏による秋田藩時代にも 町づくりは続けられ、材木や鉱山資源の積出港として栄えた。宝永元年(1704)に「野代」に大地震が起こり、町の名が「能代」に変更された。遠い昔から能代に住む人々により築かれてきた伝統文化は今も愛され守り続けられている。
平成18年に能代市と二ツ井町が合併して新たな能代市が誕生したが、ここでは旧能代市の文化に目を向けて、そのいくつかを紹介する